【お助けQummy】食欲がないときにおすすめの食材&簡単レシピ|暑さに負けない体をつくる!

「夏になるとなんだか食欲がわかない」「冷たいものばかりで栄養が偏っている気がする」。そんな悩み、ありませんか?暑さによる体調の変化は、思っている以上に私たちの“食”に影響を与えています。ここでは、管理栄養士・菱沼未央さんが夏の食欲不振の原因とその対策を徹底解説。さらに、忙しい日でもすぐ取り入れられる簡単レシピや、水分補給のポイントも紹介します。
食べることは、夏を元気に乗り切るためのいちばんのカギ。まずは、日々の“食べ方”から見直してみませんか?
目次
お悩み相談:「夏になると食欲がなくて困っています…」
「毎年、夏が来ると食欲が落ちてしまい、食が進まず…。冷たい飲み物やアイスばかり食べています。でも、これって体によくないですよね?暑くて食欲がでないときに食べやすく、栄養をしっかりとれる方法があれば教えてほしいです!」(20代・フリーランス)

管理栄養士・菱沼未央さんが回答!
ご相談ありがとうございます。管理栄養士の菱沼未央です。
暑い夏はどうしても食欲が落ちてしまいますよね。私も夏場は冷たいそうめんの登場頻度が上がります(笑)。でも、それだけでは栄養が不足して、かえって体調を崩してしまうことも…。
そこで今回は、「夏の食欲不振(いわゆる夏バテ※)」の原因と、そこから脱出するための方法についてお話します。
※「夏バテ」は夏に起こる慢性疲労の一種とされますが、医学的な定義はありません。本記事では「夏の食欲不振」と同義で用いています。
夏に食欲が落ちる原因とその対処法
近頃の夏は「猛暑」を超えて「酷暑」と表現されるほどの暑さが続いています。
熱中症や脱水、夏血栓(脳梗塞や心筋梗塞)といったリスクに加え、「食欲不振」も深刻な問題です。
夏に食欲が落ちる原因は一つではなく、以下のようにさまざまな要因が複雑に絡み合っています。
主な原因は以下のとおりです。
・暑さによる交感神経の優位化 → 消化吸収力の低下
・屋内外の温度差 → 自律神経の乱れ → 血流・胃腸機能の低下
・冷たい飲み物・食べ物の摂取 → 胃腸機能や消化酵素の働きが低下
・発汗による電解質の喪失(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム)*¹ → 食欲不振や電解水バランスの乱れ
夏の不調は「暑いから食べられない」ことをきっかけに、次々と悪循環が起こります。
「夏は食欲がなくなるから、自然と痩せるかも!」
そんなふうに感じる方もいるかもしれませんが、それは大きな間違い。
体が栄養不足になると、筋肉量の減少や代謝の低下につながり、むしろ太りやすく・疲れやすくなります。
「本格的な暑さの前に“整える”」がカギ!
では、「何を食べれば夏バテにならないの?」と気になるところですが…実は、特定の食材や栄養素で夏バテを完全に防げるという科学的根拠はありません。
例えば、よく耳にするこんなフレーズ…
「ビタミンB₁が夏バテに効く!」
「夏は豚肉!うなぎ!ゴーヤー!」
「夏野菜で夏バテ対策!」
どれもキャッチーですが、現時点では信頼できる医学的エビデンスは不十分なのが実情です*²。
体調を整えやすい春先から、食生活を整えておくことが大切です。
しっかり食べて、熱中症や脱水にならない“体の土台”を今からつくっておきましょう◎
食欲がないときに意識したいこと
大切なのは、毎日3食しっかりと食べること、そして適切な水分補給を習慣化することです。
食事で意識したいポイント
1. たんぱく質を毎食しっかりとる
特にお肉やお魚、牛乳、乳製品、豆腐、豆製品などのたんぱく質を欠かさないようにしましょう。
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2. ビタミンB群を補給する
ビタミンB群はエネルギーをつくるために必須の栄養素です。
豚肉や豆類、種実類、未精製の穀物、魚類、レバー、牛乳、乳製品、卵、納豆、緑黄色野菜、きのこなどに含まれています。
「ビタミン」と聞くと野菜や果物をイメージする方が多いですが、実際には動物性食品が補給源になっているビタミンはたくさんあり、特にB群の補給には欠かせません。
3. ミネラルを補給する
特にカリウムやマグネシウムはふだんから不足しがちな栄養素です。
暑い時期は発汗で失われることを考えて、より一層意識して摂取していきましょう。カリウムはさまざまな食品に広く含まれていますが、夏野菜だと量もとりやすいですし、なにより旬なのでおいしくておすすめです。モロヘイヤを筆頭に、とうもろこし、ミニトマト、ゴーヤー、おくら、なす、トマト、ピーマン等にもカリウムが含まれています。
マグネシウムは豆類、海藻類、アーモンドやクルミなどの種実類、玄米や胚芽米などの穀類、魚介類からとれます。
カルシウムは牛乳、乳製品、骨ごと食べられる魚介類や小えび、ほうれん草や小松菜など青菜を意識しましょう。
ナトリウムは日常的にとりすぎている栄養素なので、特段意識する必要はありません。塩飴を舐めたり、経口補水液を飲んだりすることは基本的に不要と覚えておいてください。*³ ⁴
4. 旬の食材を活用する
夏野菜は水分が豊富で脱水対策にもってこいです。
水分は水分単体でとるよりも食事からミネラルと一緒にとったほうが体内にとどまりやすくなるため、ぜひ旬の野菜から補給してください。
特にトマト、きゅうり、ズッキーニ、すいかなどは水分量が多く、90~95%ほど*⁵が水分です。
5. 香辛料や酸味を活用する
「なんか食欲ないかも…?」というときに役立つのがさわやかな香りのハーブや、食欲をそそる香りや刺激性を持つスパイス、消化液の分泌を促進するレモンや酢などです。
人によってはゴーヤーなどの苦み成分が食欲に繋がることも。
黒こしょう、唐辛子、山椒、大葉、パクチー、レモン、お酢、ゴーヤーなど、色々な食材を試してみてください。
季節のお野菜にゆでしゃぶを合わせ、ポン酢しょうゆや市販のドレッシング、ソースなどを使えば、あっという間にメイン料理が完成します。
水分補給で意識したいポイント
1.1回180mlを目安に、1日8回程度に分けて飲む
軽い脱水症状では喉の渇きを感じないことがほとんど。喉が渇く前から飲むことを意識しましょう。一気に飲んでも汗や尿として排出されたり、浮腫んでしまったりするので、少量×頻回がポイントです。大事なのは「水分が入ってきた」と体に悟られないこと。せっかく飲んでも出ていってしまってはもったいないです。
具体的には、朝起きて1杯、日中に何度か、入浴前後、寝る前…とちょこちょこ飲みをするのがおすすめ。目安は1回180ml×8回です。*⁷
2.基本は水かお茶。スポーツドリンクや経口補水液は限定的な場面のみ
水分補給は水やお茶などのカフェインレスの無糖飲料が基本です。スポーツは暑熱環境下での作業時、経口補水液は脱水時にのみ飲むようにしましょう。
以上を踏まえて、今日は夏前~夏にぴったりの食欲不振対策レシピをお伝えします。
とってもおいしいので、ぜひぜひお試しくださいね!
簡単!食欲がないときでも食べやすいレシピ
豚しゃぶと叩ききゅうりのピリ辛オイル和え


材料(2人分)
豚ももしゃぶしゃぶ用肉:160g
きゅうり:2本(200g)
きくらげ(乾燥):5g
ピーナッツ:15g
塩:ひとつまみ(1g)
●パスタを手作りオイルソース しょうゆ&ペパー :大さじ1(18g)~
●ラー油:小さじ1/3~
●粉山椒:少々(0.5g)
〈作り方〉
1.きゅうりは皮をむき、麺棒でひびが入るまでたたく。4cm長に切り、太い部分は割れ目にそって縦に割る。塩をふり軽くもみ込む。ピーナッツは包丁で粗く刻む。
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パスタを手作りオイルソース しょうゆ&ペパー210ml|キユーピー3分クッキング210ml378円(税込)





2.きくらげはたっぷりの水で15分ほど戻す。鍋に湯を沸かし、きくらげを加えさっとざるにあげる。

3.豚肉は大きければ半分に切る。2の鍋に酒と塩少々(分量外)を入れ弱火に落とし、豚肉をしゃぶしゃぶの要領でゆで、ざるにあげ水気をきる。

4. ①、②、③をボウルに入れ(きくらげは大きければ手で半分に割く)、●を加えしっかり和える。


POINT
・「パスタを手作りオイルソース」を使って簡単に味付け
・きゅうりは皮をむくことで味なじみと食感がアップ
・豚肉はビタミンB₁が豊富に含まれる
まとめ
いかがだったでしょうか? 今日から「1日3食」+「こまめな水分補給」を実践して夏の食欲不振を予防していきましょうね◎
では、またなにかご相談があればお寄せくださいね!
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※本記事は弊社から菱沼さんに依頼をし、いただいたコメントを編集して掲載しています。
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【参考文献】
*1 日本スポーツ栄養学会監修:エッセンシャルスポーツ栄養学,pp.120-127(2022年9月5日),有限会社市村出版,東京
*2 佐々木敏:日常生活における熱中症予防 水分と塩分はどれくらいとるべきか?,栄養と料理8月号,第85巻第8号,pp.115-119(2019年)
*3 土橋卓也:熱中症予防のために塩分摂取は必要か?,栄養と料理8月号,第87巻第8号,pp.87-91(2021年)
*4 三宅康史:暑い夏の、熱中症対策,栄養と料理8月号,第89巻第8号,pp.83-87(2023年)
*5 香川 明夫:八訂 食品成分表2022 本表編,pp.60-115(2022年2月20日),女子栄養大学出版部,東京
*6 暑い夏を元気に乗り切る 夏の水分補給のコツ:浜岡隆文,栄養と料理8月号,第85巻第8号,pp.31-35(2019年)
*7 谷口英喜:いのちを守る水分補給,pp.73-83(2023年6月25日),株式会社 評言社,東京
吉田 企世子:効率よく栄養をとる 食べ方&保存のコツ事典(2020年11月5日),株式会社ナツメ社,東京
上西 一弘:食品成分最新ガイド 栄養素の通になる 第5版(2023年5月30日),女子栄養大学出版部,東京
伊藤 貞嘉,佐々木 敏:日本人の食事摂取基準(2020年版)(令和2年3月25日),第一出版株式会社,東京
厚生労働省:令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要