意外と多い「夏の冷え」。今日からできる、ポカポカ習慣!
夏場の不調といえば、暑さによる「夏バテ」を想像しますが、最近の夏バテは、冷房などによる冷えが原因であることが多いよう。だからこそ、夏を快適に過ごすには、体を冷やさないことが大切になります。今回は、「温活」のプロである、医師の石原新菜さんに「夏の温活」についてお話を伺いました。
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実は、夏が一番冷える!
石原:「私の日々の診察を通しての意見ですが、1年のうち、みなさん夏がいちばん冷えています。冬は寒いので、着こんだり温かいものを飲んだりと自然に対策をしています。ですから、冷えはそこまで深刻ではありません。しかし、近年の猛暑もあって、夏は薄着で過ごすことが続くうえに、どこでも冷房が効いていますよね。さらに外が暑いからと、冷たい飲み物や食べ物を口にする機会も多いのです」
夏の冷えの原因
石原:「先ほど話した、『薄着・冷房・冷たいもの』の3つが夏の体を冷やしてしまう原因です。そして、夏場の内臓の冷えにより『食欲不振、胃もたれ、便秘、下痢、生理痛・生理不順、むくみ、不眠』などの不調が現れます。外は暑いけど、中は寒い……この違う2つの環境にうまく対策していくことが必要になります」
夏の冷え症の人の特徴
下記当てはまる人は、夏の冷えの対策に力を入れるのがよいでしょう。
□もともと冷え性で悩んでいる人
□運動不足の人
□夏は入浴せずにシャワーで済ませる人
□ストレスが多い人
□寝不足の人
□仕事や家事で忙しい人
暑さに負けない「生活習慣」
①暑熱順化で暑さに負けない体に!
石原:「暑熱順化(しょねつじゅんか)とは、体を徐々に暑さに順応させるという意味です。運動習慣のない人や湯船に浸かって汗をかく習慣のない人は、汗をかく機会が少なく、体温調節がなかなか上手くいきません。暑い外での運動や作業では水分と塩分の補給はもちろん大切ですが、一年を通じて汗をかける身体づくりが大事になります。そのためには、徐々に運動をしていく、湯船につかるなど、汗腺を開く練習をしましょう。スクワットの動きはどこでも簡単にできるのでおすすめです」
②冷たい飲み物を飲みすぎない
石原:「冷房の効いた環境では、温かい飲み物を選ぶとよいです。また、そうめんやスイカ、カキ氷、麦茶など、昔からの「夏はこれ!といったものは、体を冷やしてしまいます。冷房がなかった時代には体温調節に役立ちちょうどよかったのですが、冷房のある現代にこれらを食べるとさらに体を冷やしてしまうので、注意が必要です」
③調節できるアイテムを準備しておく
石原:「冷房の環境下では、常に腹巻きをし、おなかを冷やさないこと。カーディガンやレッグウォーマーなどでしっかり調整しましょう。また、冷気は足元に来るので、素足にサンダルで出かけても、オフィスなどでは靴下を履くようにして下さい」
④冷房のタイマーはNG!
石原:「熱帯夜の冷房はもはや必須。でも、春秋用の掛け布団、長そで長ズボン、腹巻きでぐっすり温かく寝たいですね。温度差が夏の冷えに良くないので、冷房のタイマーはNG。寝ている間はつけっぱなしにして、着込むことで体は冷やさないようにしましょう。寝る時は冷房の温度を高めに設定して扇風機やサーキュレーターで風を回しながら、冷えないように注意してください」
今日からできる「夏の温活」はたくさんありますね。その一つが食事なので、食事も大切に。セルフケアを習慣化し、夏冷え体質を改善していきましょう。今回ご紹介したことを、ぜひ実践してみてください。