【お助けQummy】仕事で疲れた体をリカバリー! 疲労回復におすすめの食事とレシピ

お助けQummy
2025年6月24日
【お助けQummy】仕事で疲れた体をリカバリー! 疲労回復におすすめの食事とレシピ

仕事で毎日ぐったり……。そんな「疲れが取れない!」というお悩みに、管理栄養士の菱沼未央さんがアドバイスしてくれました。睡眠・運動・食事の3本柱から、疲労回復のためにできることを解説。火を使わず5分で完成する「納豆冷や汁」のレシピは必見です!

目次

お悩み相談:「仕事で疲れて、なかなか回復できない」

【お助けQummy】仕事で疲れた体をリカバリー! 疲労回復におすすめの食事とレシピ

「毎日仕事が忙しくて、帰宅するとぐったり…。しっかり寝ても朝スッキリしないし、週末も疲れが抜けきらなくて困っています。とくに最近は食事も適当になりがちで、疲れが溜まる一方な気がします。何か食事で疲れを回復する方法はありますか?」(30代女性)

菱沼さんの回答!

ご相談ありがとうございます。管理栄養士の菱沼未央です。「なんとなくずっと疲れている」。そんなお悩み、30代女性の相談でとても多くなっています。


日々の忙しさで、食事・睡眠・休養など、“自分のケア”が後回しになってしまいがちですよね。


疲れが抜けない日々が続いているとのことですが、その感覚こそが、紛れもない「体からのサイン」。「がんばりすぎているよ」と、体が教えてくれているのです。


そもそも疲労とは?

日本疲労学会では「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」と定義しています。*¹

つまり、疲労とは心や体に過度な負荷(ストレッサー)がかかったことにより、日常的な活動能力が下がってしまう状態です。

平たく言えば「疲れた~休みたい~」という状態が疲労です。

多くの人(とくに日本人)は疲労を「ただの疲れ」と軽視しがちですが、実は痛みや発熱と同様、体の異常を教えてくれる大切なサインなのです。

このサインを無視してしまうと、健康を著しく害してしまう可能性も。たかが疲れと甘く見ず、できることから対策していきましょう。

大切なのは、疲労感の一時的な軽減ではなく、疲労の根本的な改善です。


【疲労回復の3本柱】

1.効率のよい睡眠

2.軽い運動

3.整えごはん


1. 効率のよい睡眠

睡眠時間を増やすことよりも「睡眠の質」を上げることが大切です。質のよい睡眠によって効率的な疲労回復が期待できるので、以下のポイントを実践し、睡眠の質を上げましょう◎。


■睡眠の質を上げるポイント*²

1.規則正しい生活習慣を心がける

2.朝の光を活用して体内時計をリセット

3.朝ごはんをしっかり食べる(特にたんぱく質)

4.日中適度に運動をする

5.お風呂はシャワーで済ませずぬるめのお湯に浸かる

6.睡眠薬代わりの飲酒はNG

7.就寝前の喫煙やカフェイン摂取を控える

8.室温は”快適に過ごせる気温”に

9.寝る前スマホはほどほどに*²

10.睡眠時無呼吸症候群に注意

しっかり眠っても朝スッキリしないということは、睡眠の質が低下している可能性があります。

夏はとくに暑さから寝つきも悪くなりがちです。夏でもしっかり湯船に浸かり、寝室は冷房を入れて適温に。朝の光を浴びること、朝ごはんをしっかり食べることも忘れないでください。朝、トリプトファンというアミノ酸が含まれるたんぱく質をしっかりとっておくと、夜にメラトニンが分泌され入眠しやすくなりますよ!

2. 軽い運動

疲れていると運動を控えがちですが、軽い運動こそ疲労回復の救世主…!

・10〜20分のウォーキング

・ゆったりストレッチやヨガ

・軽いジョギング        など。

大切なのは“ 軽い”ということ!日常の中に“ちょこっと運動”を取り入れてみてくださいね◎


3. 整えごはん

寝ても軽い運動をしてもとれない疲れは、栄養の力でリカバリーしていきましょう。

ポイントは、「バランスよく食べること」と「疲労回復をサポートする栄養素をとること」、「嗜好品のとりすぎに注意すること」です。


■バランスよく食べる

さあにぎやかにいただく*⁴で覚えてみてください。

さ:魚

あ:油

に:肉

ぎ:きのこ

や:野菜

か:海藻

に:乳製品

い:いも

た:卵

だ:大豆製品

く:果物


耳にタコができるほどよく言われる「バランスよく」。結局いちばん大事なのはここ!

食事をおろそかにしていると、ビタミンB₁や葉酸などのビタミンB群や鉄や亜鉛、マグネシウムなどのミネラル、食物繊維、n-3系脂肪酸(DHAやEPA)などが不足しがち。どれも体調や代謝を整えるのに欠かせない栄養素なので、不足すると疲れは抜けません。

「なにをとったらいいの…!?」というときは、「さあにぎやかにいただく」を意識して、いろいろな食材をまんべんなくとるようにしましょう。にぎやかに楽しく食べることもお忘れなく!

■疲労回復をサポートする栄養素とは?

疲労回復をサポートするといわれている栄養素はこちら。ぜひ日頃から意識してみてください。


◆ビタミンB₁:エネルギー生成をサポート

糖質をスムーズにエネルギーに変えるために欠かせないビタミンで、継続的な摂取がおすすめです。*²

米ぬか、玄米、豚肉、納豆、大豆製品などに多く含まれています。白米より胚芽米や雑穀米に豊富なので、主食を変えるとかんたんに摂取量を増やせます。


◆ ポリアミン:細胞の修復・抗炎症作用・アンチエイジングをサポート*⁶

ポリアミンを含む食品は、米胚芽や米ぬか、小麦胚芽、かぼちゃ、ピーマン、大豆、ピスタチオ、しめじ、ウナギの肝、牡蠣、オレンジ、マンゴー、緑茶などです。

納豆やさば缶、精製度の低い穀類などは日々の食事に組み込みやすく、手軽に続けられるのでおすすめの食材です。体内のポリアミンは年齢とともに減少するため、食事から積極的にとりましょう。

◆ クエン酸:乳酸の代謝を促進し、疲れにくい体へ

梅干しや柑橘、酢などに含まれます。夏バテ対策にも◎。*⁷


◆ たんぱく質&アンセリン:筋疲労の軽減をサポート

まぐろやさば、カツオなどの回遊魚に含まれるアンセリンは、抗酸化作用があり、運動時の筋肉のダメージ軽減や回復のサポートが期待できるといわれています。*²たんぱく質自体も疲労回復の材料として不可欠です。


◆ ガンマ・オリザノール:酸化を抑制し、疲労感の軽減をサポート*²

米ぬか由来の成分で、胚芽米や玄米に多く含まれます。疲労回復を謳った総合ビタミン剤などにも配合されており、疲労感の軽減に効果があると考えられています。


◆ ケセルチン:抗酸化作用、抗炎症作用*²

玉ねぎやりんごに多く含まれる成分で、疲労感の軽減に効果があると考えられています。



■嗜好品のとりすぎに注意

睡眠の質の低下、血糖値の乱高下などに繋がるので疲れているときこそ意識的に減らしていきましょう。


◆4つの嗜好品CATS*⁵

CATSとは、カフェイン(Caffeine)、アルコール(Alcohol)、タバコ(Tobacco)、砂糖(Sugar)の4つの嗜好品を表します。

嗜好品には気持ちをリフレッシュさせたり、一時的に疲労を回復させたりするような感覚がありますが、とりすぎは逆効果です。

火を使わず5分でできる、納豆冷や汁

先ほどご紹介した疲労回復におすすめの食材をとことん詰め込んだ、疲労回復をサポートするごはんをご紹介します。

納豆・さば缶・胚芽米(雑穀米)・梅干しを使い、ビタミンB₁、ポリアミン、アンセリン、ガンマ・オリザノール、たんぱく質、クエン酸など、疲労回復に役立つ栄養素をチャージできる一杯に仕上げました。

味付けはごまドレッシングだけ。梅干しもアクセントになり、夏場や疲れがたまっている日にも食べやすくなっています。


疲労回復をサポート!納豆冷や汁のレシピ

【お助けQummy】仕事で疲れた体をリカバリー! 疲労回復におすすめの食事とレシピ

■材料 2人前  

【お助けQummy】仕事で疲れた体をリカバリー! 疲労回復におすすめの食事とレシピ

・ごはん(胚芽米もしくは雑穀米)※…茶碗2杯分

・さば缶(みそ煮/汁ごと)…1缶(150g)

・ひきわり納豆… 2パック(80g)

・きゅうり…1/2本(50g)

・みょうが…1個(20g)

・梅干し…小2個(12g)

・大葉…2枚(2g)

(A)水…1と1/2カップ(300g)

(A)キユーピー 深煎りごまドレッシング…大さじ4(60g)

(A)さば缶の汁…全量(60g)

・みそ…適量

※ごはんは胚芽米や雑穀米を使用することでビタミンB₁がUPしますが白米でもOKです。

■作り方

①ボウルに(A)を合わせ、よく混ぜてから冷蔵庫で冷やす。

②さば缶は大きめにほぐす。納豆は添付のたれを加えよく混ぜる。きゅうりは小口切り、大葉とみょうがは千切りにする。

③器にごはんをよそい、②をバランスよく盛り付ける。1を回しかけ、お好みでみそを添える。


POINT

食欲のない日でもさらっと食べられる冷や汁風

味付け1つ、火を使わず5分で完成!

ごはんの代わりにそうめんや冷や麦でもおいしい◎



まとめ:

「栄養は足りているかな?」と少し意識を向けるだけでよいので、疲れがたまっているときこそ、がんばらない“整えごはん”で、あなたの回復力を引き出してあげましょう。


しっかり食べて、少しだけ動いて、ゆっくり休む。そんな当たり前のことを大切にできる毎日が、何よりの疲労回復につながりますよ。


↓管理栄養士の菱沼さんがみなさんのお悩みに答える!お助けQummyの他の記事もどうぞ↓


【参考文献】

*1 日本疲労学会:抗疲労臨床評価ガイドライン,p.4(平成23年7月22日)

*2 厚生労働省 :健康づくりのための睡眠ガイド2023,pp.23-33(令和6年9月18日一部修正)

*3 近藤一博:日本人はなぜ疲れやすい?ストレスと疲労の基礎講座,栄養と料理4月号,第87巻第4号,pp.81-86(2021年)

*4 功刀浩:ちょっとツライときのストレスケア ストレスに強くなる食事,栄養と料理5月号,第85巻第5号,pp.24-29(2019年)

近藤一博:疲労ちゃんとストレスさん(2019年11月30日),株式会社河出書房新社,東京

吉田 企世子:効率よく栄養をとる 食べ方&保存のコツ事典(2020年11月5日),株式会社ナツメ社,東京

伊藤 貞嘉,佐々木 敏:日本人の食事摂取基準(2020年版)(令和2年3月25日),第一出版株式会社,東京

厚生労働省:令和5年   国民健康・栄養調査結果の概要

※本コラムでご紹介した疲労回復成分は、研究段階のものを多く含みます。ヒトに対する疲労効果削減において、今後の研究に期待しましょう!


※商品情報はQummy便り 掲載開始時点での情報です。掲載商品は予告なく販売終了する場合がございます。

※本記事は弊社から菱沼さんに依頼をし、いただいたコメントを編集して掲載しています。

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