【胃にやさしい食べ物とは?】食品の選び方・調理のポイント・おなかにやさしい生活習慣
暑い夏が終わり、季節の変わり目にさしかかる時期は、体調管理が重要です。特におなかの調子が優れないときや、胃に負担をかけない食事を心掛けたいとき、どのような食事が適しているのか、どんなケアが効果的なのかを内科医の石原 新菜先生に教えていただきました。
目次
胃にやさしい料理
胃にやさしい料理とは、消化に良いものを指します。具体的には、次のような特徴があります。
ねばねばした食材:
山芋、オクラ、納豆、とろろ、などがおすすめ。
温かい(柔らかく煮込んだ)料理:
冷たい食べ物や飲み物は胃腸の働きを妨げることがあります。温かいスープやおかゆ、温野菜などがよいでしょう。
発酵食品:
納豆や味噌などの発酵食品は、消化に良く、胃腸にやさしいです。発酵の過程で、微生物が食材の一部を消化してくれるため、体内での消化が楽になります。
そもそも消化の仕組みとは?
胃の調子が悪いときは特に胃酸の分泌を促すものは避けることが重要です。胃酸は、食物を消化するうえで非常に重要な役割を果たしています。食物はまず口の中で噛み砕かれ、次に胃に送られます。ここで胃酸が分泌され、食物をさらに細かく分解します。胃酸の主な役割はこちら。
食物の分解:
強い酸性の胃酸が食物を化学的に分解し、ドロドロの状態にします。この状態になった食物は、小腸での消化・吸収がしやすくなります。
菌の殺菌:
胃酸の強い酸性は、食物中に含まれる有害な細菌や病原菌を殺菌し、体内への侵入を防ぎます。
胃酸がしっかり働くためには、消化しやすい食べ物を取ることが大切です。とくに、柔らかい食べ物や消化に良い食材を選ぶことで、胃酸の負担を軽減できます。
胃にやさしい料理の調理方法のポイント
煮込む・茹でる・蒸す
野菜や肉は、このような調理方法だと食材が柔らかくなり、消化しやすくなります。揚げ物や炒め物は胃に負担をかけるため、避けた方が良いでしょう。
胃腸の調子が悪いときに避けるべき食べ物
脂っこい食べ物:
脂肪分が多い食べ物は、消化が難しく、胃腸に負担をかけます。特にステーキや唐揚げなどは避けた方が良いでしょう。
冷たい食べ物:
アイスクリームやかき氷などの冷たい食べ物は、胃粘膜を冷やし、消化不良を引き起こしやすくなります。
おなかにやさしい生活習慣
よく噛む:
食べ物をしっかり噛むことで、胃に入る前にある程度消化され、胃腸への負担が減ります。
温かい飲み物を取る:
お白湯や生姜紅茶など、体を温める飲み物を取ることで、胃腸の働きが良くなります。
腹巻を使う:
おなかを冷やさないように、腹巻を使うのもおすすめです。エアコンなどで冷えることが多い夏にも。
季節の変わり目のケア
夏の終わりから秋にかけては、季節の変わり目で、夏の疲れが出やすい時期。以下のケアが推奨されます。
お風呂でリラックス:
ゆっくりとお風呂に浸かりリラックス。これにより、睡眠にも良い影響を与えます。
規則正しい生活:
早寝早起きを心掛け、軽い運動を取り入れることで、自律神経を整えることができます。
おなかにやさしい食事と、整った生活習慣を心掛けることで、季節の変わり目も元気に過ごすことができます。これらのポイントを参考に、健康的な毎日を送りましょう。
Illustration:Naho Ogawa