待ちに待った味覚の秋がやって来ました。旬だからこそ楽しめる味わいって、ありますよね。

そんな秋を代表する旬野菜といえば、さつまいも。焼きいもやスイートポテトなどのスイーツが定番ですが、実は、煮たり、炒めたり、揚げたり、和えたりと、毎日のおかずにもぴったりの食材なんです。料理のボリュームもアップする優秀な節約素材であることに加え、甘みのある食材なので、野菜が苦手なお子さまでも食べやすいというのもうれしいポイントです。

そんなさつまいもについて、料理家の上島亜紀さんにお話を伺いました。

旬のさつまいもをいっそう楽しむための絶品レシピのほか、上手な選び方や便利な保存方法も合わせて紹介します。

さつまいもって、お店に並んでいるのを見ると、なんだかどれも同じように見えてきますよね。どのように選んだらいいのでしょうか。

上島さん：さつまいもは、ずっしりと重みがあるものを選びましょう。形状は、中心はある程度の太さがありふっくらしていて、両端がキュッと締まっているものがおすすめ。表面は色ムラがなく、濃い赤紫色でツヤのあるものがおいしい証拠です。

■全体

・曲がっておらず、中心が太くふっくらしている

・皮に色ムラがなく、濃くつややかな赤紫色

・表面に傷や黒い斑点、変色がない

・根やひげが出ていない

■両端

・キュッと締まっている

上島さん：形が凸凹しているものは、食べたときに繊維が気になることが多いのでおすすめしません。極端に曲がった形状のものも、いも全体に糖分が行き渡りにくくなるため避けた方が無難です。また、表面に傷がついているものは傷みが早く、黒い斑点や黒い変色がある場合は苦みがあるので選ばないようにしましょう。根やひげがうっすら出ているものは栄養価が劣ります。

また、端の切り口や皮の毛穴から樹液のような黒っぽい液があふれているものもありますが、これは汚れや腐敗ではなく、さつまいもの蜜。糖度が高くて甘いので、焼きいもやふかしいもなどシンプルな食べ方で味わうといいそうです。

これらを参考にして選べば、今年はおいしいさつまいもを食べられる機会が増えそうですね！

旬の時期になると、スーパーの店頭にはいろいろな種類のさつまいもが並びます。実は、品種により適した調理法がしっかり分かれているって知っていましたか？

作りたいものに合わせた選び方も、上島先生に伺いました。

上島先生：さつまいもは食感別に以下の3つに分けられます。

■ほくほく系：紅あずま　など

■ねっとり系：安納いも、紅はるか、シルクスクリーン　など

■しっとり系：鳴門金時、紅さつま　など

「ほくほく系」のさつまいもは天ぷらやサラダ向き。形が崩れにくく、安価な傾向があります。「ねっとり系」の安納いもや紅はるか、シルクスクリーンは甘味が特徴。おかずというより、そのまま焼きいもとして食べたり、お菓子に加工するのがおすすめです。「ほくほく系」と「ねっとり系」の間くらいの食感なのが「しっとり系」。鳴門金時や紅さつまがこれにあたり、比較的どんな料理にも使いやすい品種です。

これで、旬のおいしいさつまいも選びの知識は万全ですね！

おいしいさつまいもが手に入ったら、さっそく試してみたいのが、食卓のメインとなるこちらのメニューです。意外な食材の組み合わせが、やみつきになりますよ！

■材料（2人分）（調理時間：約15分）

秋鮭　2切れ（1切れ100ｇ）

さつまいも　1本（小150g）

塩　小さじ2/3

粗びき黒こしょう　少々

Qummy デリサラダソース たまねぎとにんじん　1袋

小麦粉　大さじ1/2

オリーブオイル　大さじ1/2

サラダクラブ フライドガーリック　1袋

1. 秋鮭はペーパータオルで水けをふき、3等分に切り、塩小さじ1/3、粗びき黒こしょう、小麦粉の順にふる。さつまいもは1㎝幅の輪切りにし、水にさらしてあく抜きし、水けをふき取る。

2. 大きめのフライパンでオリーブオイルを中火で熱し、秋鮭を入れ、すき間にさつまいもを入れて残りの塩をふり、2分ほど焼き色がつくまで焼く。ひっくり返してフライドガーリック1/3をちらし、ふたをして弱めの中火で5分焼く。焼き上がりに竹串でさつまいもを刺し、スッと入るのを確認する。

3．2に「デリサラダソース たまねぎとにんじん」大さじ1と1/2を回しかけて全体にからめる。

4．器にさつまいもと鮭を盛り、残りのデリサラダソースを回しかけ、ガーリップチップをちらす。

＜ポイント＞

上島さん：フライドガーリックは2段階使いするのがおすすめ。食材と一緒に加熱して香りをつけたうえに後のせすることで、風味と食感の両方を楽しむことができます。ほんのりにんにくの香りがついたさつまいもは、より甘く感じます。すりおろしたにんじんと玉ねぎの質感と、マイルドな酸味が特徴の「デリサラダソース たまねぎとにんじん」で、脂がのった秋鮭もさっぱり味わえますよ。

鮭とさつまいもという珍しい組み合わせですが、相性抜群でしかも簡単。秋の定番になりそうな一品です

さつまいもは、旬の時期にはいつもよりお手頃なこともあり、ついたくさん買いたくなりますよね。ということで、おいしく保存できる方法も、上島さんにお聞きしました。

上島さん：さつまいもをたくさん入手したら、光に当たらないように1本ずつ新聞紙にくるみ、ポリ袋に入れて口をゆるく縛り、冷暗所で立てるようにして保存しましょう。温度が高いと、芽が出てきて味が落ちてしまいます。ポリ袋は、密封するとさつまいもの呼吸で湿ってしまうので、ゆるく縛ってくださいね。新聞紙がない場合は、紙袋などを代用するのもいいですよ。冷蔵庫の野菜室で1カ月ほど保存できます。

このほか、少しだけ手を加えて、さらに長く保存する方法も！

上島さん：干しいもの状態で冷凍しておくと、さいの目に切って炊き込みご飯や蒸しパンなどにすぐに使えて便利！　自然解凍すればそのままおやつにもなりますし、私は半解凍で少し冷たい状態で食べるのも好きです。電子レンジで温めたり、少しあぶったりしてもおいしいですよ。

干しいもを作るには、まず、さつまいもを蒸してから皮をむき、縦7mm幅に切ります。ざるなどに並べ、風通しのいい日なたで半日干し、ひっくり返してさらに半日干したら完成。冷凍用の保存袋に入れて冷凍室に保存すれば、1～2カ月ほど日持ちします。

上島さん：さつまいもを蒸すときは、フライパンを使うのが簡単でおすすめです。最初に、さつまいもが納まる深さのフライパンにクッキングシートを敷いておきます。さつまいもは皮をきれいに洗って両端を1cmほど切り落とし、クッキングシートの上にのせ、フライパンとクッキングシートの間に水200mlを加えてふたをします。15分蒸して、ひっくり返してさらに15分蒸したらOK。蒸しはじめから10分ほど経ったころに水100mlを足しましょう。蒸す時間は、さつまいもの大きさや品種によっても変わるので、竹串を刺して確認してくださいね。

なるほど、そんな方法があったんですね！　さつまいもを蒸すのも、自家製の干しいも作りも、これなら家にある道具で簡単にできそう。さっそく試してみたいですね。

今回、もう１品メインのおかずになるレシピを教えてもらいました。使用する調味料はたったの2つ！　あっという間に作れて、味も見た目もまさに主役級です。

■材料（2人分）（調理時間：約20分）

鶏もも肉　1枚（300g）

さつまいも　1本（小150g）

サラダクラブ うずら卵水煮　1袋

Qummy 国産たまねぎドレッシング　80ml

片栗粉　　大さじ１

しょうゆ　大さじ1と1/2

わさび　　適量

三つ葉　　あれば

■作り方

1．鶏もも肉はペーパータオルで水けをふき取り、包丁で開いて厚みを均一にし、余分な脂を取り除いて6等分に切り、片栗粉をまぶす。

2．さつまいもは大きめの乱切りにし、水にさらしてあく抜きし、水けをふき取る。

3．鍋に「Qummy 国産たまねぎドレッシング」、しょうゆ、水150mlを入れて煮立たせ、鶏もも肉を皮目を下にして入れ、すき間にさつまいも、うずら卵水煮を入れる。再度煮立ったら落としぶたをし、ふたをして弱めの中火で12～13分ほど煮込む。竹串でさつまいもを刺し、スッと入るのを確認する。

4．3を器に盛りつけ、わさびと、あれば三つ葉を添える。

ドレッシングとしょうゆだけで、まるで時間をかけたような治部煮ができるなんて驚き！　柔らかく煮えたさつまいもにも、鶏のうまみがしみ込んでいます。

上島さん：玉ねぎの風味がきいたドレッシングなので、長ねぎを加えなくても、おいしい和風の煮物ができあがります。うずら卵にも味がしみてとてもおいしいですよ。添えたわさびがスッキリと『味変』してくれます。

さらにもう１品、お手軽メニューを教えてくれました。副菜に使える「さつまいものキャロットマリネ」（調理時間：約12分）です。

さつまいも１本（中200g）を２cmのさいの目に切り、水にさらしてあく抜きし、水けを軽く切ります。耐熱ボウルに入れて600Wの電子レンジで５分加熱し、そのまま５分おきます。ボウルの底に水分が多い場合はキッチンペーパーなどで拭き、熱いうちに「サラダクラブ ガルバンゾ(ひよこ豆)」1袋と「Qummy 国産にんじんドレッシング」大さじ3を加え、なじませるようによく和えます。「サラダクラブ お家で作るごちそうサラダ シーザーサラダ用」を敷いた器に盛り、お好みで粗びき黒しょうをふれば完成です。

甘みのあるホクホクのさつまいもと、にんじんの甘みや香りを引き出したさわやかなドレッシングは相性ぴったり。ガルバンゾの食感も楽しい一品です。

上島さん：自然の甘さがあるさつまいもは、お子さまもみんな大好きな野菜ですよね。長期間保存しやすく、和洋中さまざまな料理に使えてボリュームも出せるお役立ち食材なので、

ぜひいろいろな調理法で味わってみてください。

10月ごろから食べごろを迎えるさつまいも。上手に保存しながら、毎日の食卓で秋の味覚を存分に楽しんでくださいね。

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上島亜紀さん

料理研究家。食育アドバイザーやジュニア・アスリートフードマイスターの資格を持つ。神奈川県の自宅にて料理教室「Cooking Studio A's Table」を主宰。簡単につくれる家庭料理のレシピが人気。著書に『まとめ買い＆使い切り！ラクうまレシピ350』（ナツメ社）、『切って並べて焼くだけ！ 天板1枚で、ごちそうオーブン料理』（学研プラス）、近著に『丸ごと野菜の使い切りレシピ：ムダなし節約！体にいい！』（Gakken）、『ビストロ・アルモンデ！』（Gakken）などがある。

※商品情報はQummy便り掲載開始時点での情報です。掲載商品は予告なく販売終了する場合がございます。